「バスのおでかけ応援制度が永藤氏の政策の盗用」はデマですよ

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このような程度の低いファクトチェックは本来したくないのですが、公式にデマが繰り返し発信されているようですので、ファクトチェックしておきたく思います。

バスのおでかけ応援制度の全日化は永藤公約が先という主張

堺市では、バスの高齢者補助制度である、おでかけ応援制度があります。
具体的には、満65歳以上の堺市民の方が「おでかけ応援カード」を使うことにより、市内の路線バス(南海バス、南海ウイングバス金岡、近鉄バス)や阪堺電車を1乗車100円でご利用いただける制度です。

堺市おでかけ応援制度
https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/kokyokotsu/odekake/index.html


この制度を前市長が365日使用可能に拡充したのですが、それについて、永藤英機氏は「これは自身の公約だったものを前市長がマネた」という趣旨のことを繰り返し述べています。

こちらは、
永藤英機「デマで市民を煽る相手陣営…正々堂々勝負して欲しい!」堺市長選挙 街頭演説 泉ヶ丘駅ロータリー
…というタイトルでYoutubeにアップロードされている永藤氏の演説映像です。

永藤英機「デマで市民を煽る相手陣営…正々堂々勝負して欲しい!」堺市長選挙 街頭演説 泉ヶ丘駅ロータリー

永藤英機です、今回の堺市長選挙、今日でで5日目に入りました。まぁ相手候補の陣営は、あることないこと言って市民の不安を煽っています。
おでかけ応援制度、100円バス、無くなるんじゃないの?永藤になったらこの制度無くなるよ、維新になったら堺の文化が壊される、挙句の果てには堺市が消滅する!そんなねぇ、ありえないこととまで言って今戦っているんですよ。私はほんとうに許せない!正々堂々勝負して欲しいいんですよ、野村さんには!
大阪維新の会、市長候補、永藤英機、私は愚直に堺の未来を訴えていきます。
あることないこと、デマを言う、そんな陣営とは違って、みなさんと一緒にこの堺の未来を作っていきたいんです。
おでかけ応援制度、無くしません!無くすどころか、365日いつでも使えるようにしたのは、私の政策なんです!

繰り返し、おでかけ応援制度を365日使用化にしたのは自身の政策とアピールしています。
このデマは2年前にも実は流されたものです。
こちら維新・堺市議の当時のTwitter発信です。

堺北区選出の池田かつし・堺市議の投稿ですが、おでかけ応援バスの365日化は相手陣営の後出しじゃんけんというのです。
今回の永藤英機候補の自身の政策アピールはこの維新陣営の思い込みをなぞっているのではないでしょうか?
ところが事実は全く違うのです。

永藤氏より先に、「おでかけ応援バス365日化」は発表されていた

このとき、永藤氏がこれを盛り込んだ公約を発表する前に、前市長は既にこの方針を打ち出しており、時系列が真逆になっています。

維新・永藤氏は2017年8月26日、記者会見にてマニフェストを発表しています。
ここで敬老パスの制限廃止も公開された内容です。
当時の新聞記事にも8月26日に永藤氏の公約発表がなされたことが残っています。
https://mainichi.jp/articles/20170827/ddl/k27/010/270000c


ところがです。
前市長陣営から2017年8月3日に発行されたチラシを確認すると、既にこの時点で敬老パスの制限を廃止し、365日使えるようにするという市政方針が示されています

高齢者福祉のところに、「おでかけ応援パス利用日数制限なしへ!」とはっきりと書かれています。
そもそも前市政で既に方針が決まっていた政策であり、後出しで盗用したというのはデマであり、維新・永藤氏にはブーメランというべきものです。
この事実を真逆に歪め、市民を煽るということは悪質なのではないでしょうか?
おでかけ応援バスの365日化は、永藤英機氏のおかげでもなんでもありません!

「 ありえないこととまで言って今戦っているんですよ。私はほんとうに許せない!正々堂々勝負して欲しいいんですよ、野村さんには! 」

これをそのまま永藤氏にぶつけたいものです

そもそも野村氏はそんなこと言ってません

野村ともあき氏が「永藤氏ならおでかけ応援バスが無くなる」なんて何時言ったのでしょう?
言っても無い内容を曲解で捏造し、市民の怨恨を煽るのは悪質すぎるのではないでしょうか?

堺市が無くなるも、都構想で大阪市が廃止されようとしている現状から、その場合、市長の専決処分だけで堺市は廃止しうると事実を指摘しているのみでありましょうし
特別区化するということは、堺市は無くなるということでもあります。
なお、都構想危機については過去記事を参照されたい


永藤候補の「任期中は都構想やらない」の欺瞞
https://factchecksakai.net/?p=59

敬老パスについて選挙時嘘をついた前科のある大阪維新

永藤氏の敬老パスの取り扱いについて、懸念の声が市民にあるということ自体は過去の行状に原因があるのではないでしょうか?
かつて大阪市長選で、大阪維新の会は選挙時だけバラマキ公約を言い、実際に就任すると一切取り組まなかった前科があります。


当時出馬した橋下徹氏はビラで「大阪維新の会は、敬老パスを無くしません。敬老パス制度を維持します」とうたっています。
さらには「私鉄でも使えるようにする」と書いています。


「大阪維新の会 区民会議in平野区」(2011.11.05)での発言は以下のようなものです。

で、わたしたちはね、高齢者の為の制度に変えたいと思ってるんです。交通局を助けるための制度では無くて、高齢者の皆さんの為の制度に変えたいというように思ってるんです。
あのう、非常によく、この対立軸とゆうの、分かってもらえると思います。
あの、ひとつは、多過ぎる職員を何とか養っていくために、敬老パスという制度をうまく利用して、税金をどんどん、交通局へ入れていったという。公務員を守るための制度として機能させるのか、あるいはわたしたちは、高齢者の皆さんのために、民間の鉄道もですねぇ、バスも使えるようにしたいと言ってるんです。視点が全く違うというのが、分かって頂けると思うんですよ。

敬老パス維持!私鉄にも!と書かれています。

ところがその後の市長就任後にやったのは敬老パスのサービス低下で、私鉄への適用などということは橋下市政では一切なされぬまま任期を終えました。

今回永藤氏が「ほんとにやるのか?」と市民から疑念持たれるとしたら、大阪維新の会のこれまでの行動からの信頼性による自業自得ではないのでしょうか?

それをそんなことを言っていない相手候補になすりつけ、ましてや事実と異なる、バスのおでかけ応援制度経緯を言い、成果の横取りをするのは、
それこそ正々堂々やるべきというべきものでしょう。

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ファクトチェック堺
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