児童自立支援施設は「ひねくれた子どもを更生させる施設」酷い無理解

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児童自立支援施設を「ひねくれた子供を更生させる施設」と維新国会議員

日本維新の会・幹事長の馬場伸幸氏(堺市選出)が、南海堺東駅での演説での発言。

自立支援施設に対し事実誤認で酷いことを言っています。
「更生」ではなく広く「自立支援」というべきです。
なぜここまで無知なのでしょう?しかも堺市の選出のかたがこのご認識。
「ひねくれた子供」とはなんという酷い表現なのでしょうか。

大阪維新の会 堺市長選挙 街頭演説 2019/6/1③

維新府議「少年院の類似施設」の不見識

西林克敏府議はさらにSNSで酷い発言をしています。

「少年院の類似施設」と児童自立支援施設を表現しているのです。
この施設は犯罪を犯した児童が入る施設という定義ではありません。そうでない子供も入る施設です。根本的に施設の理解ができていないと言わざるを得ません。

この施設を作るのは大阪府の施設が手狭で、橋下知事が求めたため

「少年院」扱いの西谷克敏・大阪府議は、さらに無知を露呈しています。
この施設の建設を堺市が急いでいるのは、堺市が家庭崩壊進み衰退しているからというのです

20市ある政令指定都市の中で、児童自立支援施設を運営しているのはわずかに4市のみ。

堺市が必死になるのは残念ながら、家庭も教育も崩壊が進んで受け入れ施設がいるのでしょう。衰退から脱却を!

この4市のみとは、大阪市、神戸市、名古屋市、横浜市です。
どれも政令指定都市の中でもビッグシティです。このような財政余裕のある大きな都市でしか自前の児童自立支援施設は持っていず、多くは都道府県の施設に委託しています。

堺市でも大阪府の施設(柏原市)に堺市の自立支援の必要な児童はお願いしてきました。

ところが、柏原市の府立施設の定員も厳しいので、 当時の橋下知事が堺市は政令市の責任で自前で作るべきだ!と受け入れ拒否方針を表明
大阪府議会の議事録を見れば、早急に作るよう後任の松井知事も言っております。

西林氏は大阪府議です。
にもかかわらず、この堺市が建設する経緯を知らないとはどういうことなのでしょうか?
ましてやそれを利用して堺市を貶める風説を流しているのです。

児童自立支援施設は非行問題だけの施設ではない

児童自立支援施設は古くは教護院といったが、平成9年の児童福祉法改正で児童自立支援施設と名を変え、非行問題だけでなく「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」 とし、広い支援を必要とする児童を受け持つ施設となっています。

平成9年 児童福祉法の一部を改正する法律(あらまし)
http://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/no.13/data/shiryou/syakaifukushi/627.pd

この法制上の無知もさることながら、
そもそも非行問題のある児童も、「自立支援の必要な子供」という認識でなく、「ひねくれた子供」などと表現してしまう思いやりのなさにはあきれ果てる他ありません。

児童自立支援施設は政令市に設置が義務付けられている施設

無駄なハコモノ視して児童支援施設をバッシングする馬場議員ですが、児童自立支援施設は児童福祉法によって、都道府県と政令市に設置義務がある必要な施設です。

しかし用地確保の問題もあり、全国の政令市にそれぞれあるかというとそんなこともなく、都道府県に委託している自治体がほとんどであります。

政令市で独自の児童自立支援施設を保持しているのは、大阪市、神戸市、横浜市、名古屋市の4つの比較的大きな政令市です。
大阪市に関しても設置個所は大阪市でなく高槻市に設置しています。

堺市でも政令市移行後も大阪府の施設(柏原市の「府立修徳学院」)へ委託してきたのですが、 当時の橋下知事が「堺市は政令市としての責任を果たすべき」と自治体規模も加味せず堺市に独自設置を求めてきました。大阪市や神戸、横浜、名古屋と同じようなサービスをしろというのはなかなかの負担であったはずです。
そのため堺市は計画を立てようやく進めてきた施設が今回の堺市独自の児童支援施設です。
山奥山奥と批判する馬場代議士は、全国で用地確保の面で設置がなかなか進まない現状や、大阪市ですら市外に設置であるという実情をお知りにならないのではないでしょうか。

Wikipedia児童自立支援施設
https://ja.wikipedia.org/wiki/児童自立支援施

「建物35億円」のデマ

馬場代議士は、35億円の建物というように演説しています。
しかし、これは建物だけの費用ではなくデマです。同地は宅地開発中の土地造成工事が途中で止まっていた山ぎわの傾斜地であり、山を切り開くような土地造成の費用も含んだ費用です。
建物だけで35億円の物件という話ではありません。

2万坪の山林造成事業ということが分かっていないのではないでしょうか?
不当に高額な建物をあえて建てたかのように印象操作をしているといえます。


また、全寮制の特別な専門性を備えた小学校と中学校を作るような規模の話ということが分かっているのでしょうか?

体育館やプール、音楽室まで備えた小中一貫の学校、さらには学生寮、さらに運動場。これがそんな安くであがるものと思われますでしょうか?

それとももっと簡素なもので十分と児童のケアを軽視しているのでしょうか?

「購入敷地2万坪のう1万坪しか使ってない」というデマ

馬場代議士は、ここで二万坪の敷地を買ってうち半分の1万坪しか使っていないということをいい、堺市があたかも無駄遣いをしているかのように言っています。

しかし現実は違います。

うち1万坪は山奥切り開いての土地であるがゆえに法面、傾斜の面であり、建物を建てるような土地ではありません。
実際の建築を行う面積は残り1万坪であるのは当然です。

また運動場の話も分かっていないのではないか。

そもそもの話として
維新堺市議団は、山林2万坪の購入に議会で賛成しています。
どの口が言っているのかという話です。

国会議員とあろう者が、デマデマデマのオンパレードです

あきれ果てる他ない発言の数々です。
相手を貶めるために、児童自立支援施設の関係者を貶め傷つけ、建設経緯も知ってか知らずか、嘘を幾重にも重ね、聴衆を欺いています。

この馬場代議士は、過去の市長選挙でも、今回と同じく堺東駅前の演説において
「あの市役所(堺市役所)にはみなさまがたの税金をむしゃむしゃ食べまくった太った豚がいます」「この太った豚を追い出し、自分たちのことは自分で考える堺をみなさまの手で作っていただきたいと思う」
…と、およそ公人とは 思えない暴言を行った前科があります。

ところが実際には馬場氏自身、迂回献金を駆使して所得税控除を受け税金逃れをしていたことが発覚している。

所得税控除目的、維新の馬場氏も迂回寄付 事務所は「問題はない」

https://www.sankei.com/west/news/130410/wst1304100043-n1.html

馬場氏は他人を批判する前に、自らを戒めてはいかがでしょうか。

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ファクトチェック堺
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