【寄稿記事】維新の会の選挙手法は民主主義の根幹を揺るがしている(堺市会議員・池側昌男)

寄稿
     

選挙戦も終盤戦に入って、候補者本人はもちろん、応援していただいている方々、もちろん私も皆真っ黒に日焼けして、どれだけ街頭に出て訴えてきたのかというのを実感する毎日です。

しかし今回の、というより今回「も」相手陣営、大阪維新の会の選挙手法のあり方というのには、強い憤りを感じずにはおられません。

もちろん選挙というのは選挙戦というぐらいです。「戦」という言葉が入る以上、それは大変厳しいものですし、相手のおかしなところは徹底的に追求していくのは当然のことです。
しかしそれはあくまで政策や主義主張をもとに行われるべきであり、明らかな不正や嘘といった事実関係を元にしたものであるべきです。にもかかわらず、最近の選挙戦、特に大阪における大阪維新の会の選挙手法は、嘘やデマを元にした個人攻撃が、公然とまかり通っている、相手候補の実家の前に何度も訪れて、大きなマイクで政策の訴えや、相手の間違いを指摘するのではなく、単なる誹謗中傷を繰り返すといったことが、選挙の日常の光景になりつつあります。

公党の政治家が、平気で事実でないことを前提にして、街頭やSNSなどで相手候補への誹謗中傷を行う、維新の会の議員団も議会で賛成した事業を、そのことを隠して無駄な公共事業として批判する、おかしなグラフのデータを堂々とチラシに掲載して配布する、そういったことが選挙になると当たり前の光景になってしまったのは、議会制民主主義の破壊活動といっても言い過ぎではないと私は考えております。

特に今回の堺市長選挙では、野村ともあき候補と知らない中では決して無い人たちが、口汚くデマを元にした誹謗中傷、言いがかりとも言えるような言葉を、街頭やSNSで候補者にぶつけていることついては、憤りを越えた怒りの感情を持っております。

大阪維新の会の馬場幹事長、池田堺市議は、かつて自民党の堺支部において、議員になる前の野村ともあき候補を指導する立場にあった先輩議員です。特に馬場幹事長のことは、野村ともあき候補は兄貴分としてたいへん慕っていた時期があったのを、私ははっきりと覚えていますし、馬場議員も彼のことは格段に目をかけていたではありませんか。

また永藤候補にとっても、野村候補は自民党大阪府連の政治塾や堺高石青年会議所に入るきっかけをつくった兄貴分のような存在だったはずです。

例えその後、政治的な立場の変化で袂を分けることになったとしても、そんな間柄だった者に対して、選挙戦の相手だからといって、嘘やデマを元にした個人攻撃、誹謗中傷をぶつけまくるというような選挙のやり方をするのは、私は許すことができません。これは人情の問題でもありますが、政治家の活動というのは、選挙や議会では厳しい応酬をして、お互いの主義主張をぶつけ合い、自身の政策を推し進めていくという一方で、時には対立している陣営同士が歩み寄る、ある部分では協力してやっていこう。思想的な考え方に違いがあっても、市民のために地域のために活動したいという考えは同じであり、議会で机を並べて一緒に仕事をする仲間でもあるわけです。

だからこそ「選挙が終わればノーサイド、一緒に市民のために国民のためにがんばりましょう」ということは政治家として、特に我々のような地方議会議員にはとても大切な考え方です。しかし政策や主義主張を元にした厳しい応酬ならともかく、選挙だからといって知らない中でもない関係の人から、不当な人格攻撃を繰り返すようなことをされて、「選挙だから仕方ないよね」で済ませられるでしょうか? 彼らのやっていることは、感情論としても非常に問題のある行為ですが、議会制民主主義の選挙のあり方を大きく揺るがしていると考えております。

池側昌男 堺市議会議員

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ファクトチェック堺
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