「野村ともあきはカジノ反対するけどパチンコには反対しない!」…いいえ、してます

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2023年の堺市長選に出馬している野村ともあき候補は盛んに大阪夢洲のIR問題について反対運動をしてきた政治家です。
氏に対し「カジノは反対するのにパチンコに反対しない!」との声がありますが本当でしょうか?

カジノ問題を論ずるにあたり、パチンコにも警鐘慣らしてきた野村候補

野村候補は熱心に反IR運動をし、論じてきましたが、それを見返すと、カジノ問題はもちろん指摘していますが、パチンコへの言及も数多くあることが確認できます。

日本のカジノがアニメだらけになりそうな理由(わけ)
https://nomuratomoaki.hateblo.jp/entry/2022/03/21/170540

■日本版カジノはパチスロ化するのか
話をカジノのスロットマシンに戻すと、これら日本のパチンコ・パチスロで培われたノウハウは、恐らく日本版「機械式ゲーミングマシン」にも存分に生かされることになるでしょう。
 
いやカジノのスロットマシンは日本のパチスロと全く異なり、バックグラウンドやネットワークの処理の違いから、日本のパチスロ技術がカジノのマシンに入り込む余地はないという意見もあります。海外メーカーも日本メーカーの参入を排除する方向に動くでしょうから、確かに参入の壁はあるでしょう。
しかし、実際にセガサミーなどの国内パチスロメーカーやゲーム開発会社はカジノへの参入を模索しています。(セガサミーのカジノ運営事業への参入は横浜市のIR撤退により頓挫しましたが)
 
あくまで私見に基づく私の想像でしかありませんが、日本の官僚の「先例主義」、政界における「パチンコ業界」からのロビイング、海外マシンのローカライズの壁、これまで日本のメーカーに蓄積されてきたノウハウや版権などの知的資産、1施設6400台のためだけに全くゼロから製品を開発する非効率性、などから考えると、日本のカジノの機械式ゲーミングが「アニメだらけ*」になることは十分考えられると思います。(*アニメにはゲームなど日本のサブカルチャー全般を含む)
 
要するに「ガワのデザインや演出などはパチスロを流用しつつ、払い出し枚数や方法が違う」とか、そんな感じになるのではないかということです。
 
前述したパチンコの仕様を管理する保通協の内規では、賭け方、絵柄配列、内部抽選確率、抽選の方法、出玉、ゲーム数の規制などが非常に細かく決められています。
一方カジノではそれがどのように規制されるかは現時点ではわかりません。
 
カジノ管理委員会の規制内容によっては、例えば8枚がけ10枚がけOK、プレイ間ウェイト無し、小役一回100枚、大当たり一撃10,000枚、JACKPOT(他人の当たりまで貯留)あり、24時間営業、もちろんチップは1枚500円~100万円とかもアリな仕様になる可能性がある……かどうかはわかりませんが、そうなったら恐ろしいことですね、という話です。
 
海外のスロットにはジャックポットで数十億円という配当が存在します。
この射幸性にオンする形で、ゲームの流れ自体をコンテンツ化してユーザーを飽きさせないように引き込み、光と音とガチャシステム(いわゆる先読み、前兆)を規制しないで垂れ流せば、この世で最も凶悪な「悪魔のルートボックス」が誕生するのではないかと感じています。

パチンコを問題視し、その上で「カジノはさらにヤバイ」という主張なのは明らかです。

保守派のための「反カジノ」論(番外編)大阪カジノ・IRに関するだいぶニッチなネタ
https://nomuratomoaki.hateblo.jp/entry/2022/03/15/171614

■スロット6400台は日本人の嗜好? パチスロメーカーへの忖度?
大阪のカジノには6400台という桁違いのスロットマシンが設置される計画となっている。なぜこんなに機械式のゲーム機が多いのか明らかにされていないが、次のような理由が考えられる。(すべてがスロットマシンかは未定、実際はテレビポーカーみたいなものも含まれると思われる)
「優位性」の項でも書いたが、ディーラーは高いスキルが必要な職業であり、人件費も高い。大阪カジノの異常に高い収益を達成するためには、対人のテーブルゲームより機械式を増やす必要があった説。
パチスロという娯楽がすでに定着している日本人の嗜好にあわせた。
別稿でカジノの主要顧客は訪日外国人から日本人へと変わったと書いたが、中国人に人気のゲームは対人のバカラ、日本人が好きなのが機械式のギャンブルである。まさかパチンコを置くわけにもいかないので、パチスロに近いスロットマシンを多く設置することになったのではないだろうか。
ちなみにマカオなどの平均的なカジノのスロットマシンの設置台数は1000台ほどなので、いかに大阪カジノのスロットマシンが多いかがわかる。
比較の対象になるかわからないが、国内の郊外の大型パチンコ店の設置台数が1000~1500台くらいである。南大阪の人にしかわからないと思うが、私の地元近くにある松原市丹南の昔のパチンコ村(現・パチンコ123)は多分3000台くらいあるので、あれの倍くらいかと勝手に想像している。
カジノのスロットマシンとパチスロは全然違うものだと思うが、それでも日本語化や日本人に合わせたデザイン、コンテンツなどのローカライズは必要なので、日本のパチスロメーカーも今後大きく関わってくると思われる。
本邦で強い開発力と営業力を持つパチスロメーカーを念頭に置いた施設構成である可能性は高い。

■パチンコ業界から学ぶ「カジノ利権」
ネガティブな話なのであまり表立って言われないが、カジノとマネーロンダリングは切っても切り離せない関係である。カジノでなぜ巨額の金が動くのかと言うと、マネーロンダリングがあるからである。
違法なビジネスで儲けた金をカジノでチップに交換しそれをもう一度現金化すれば違法な資金が洗浄されてしまう。
地下マネーを容易にロンダリングできる環境があるということは、それだけ地下ビジネスが活発化するということである。
日本のカジノがマネーロンダリング対策をどのようにするのかはあまり聞かれないが、この辺りの対策は国際的にも非常に重要である。
ところで近年はだいぶ浄化されたが、30年くらい前のパチンコは不正や脱税、アングラの温床だった。
パチンコを認可、検査する機関には、所管する警察庁や警視庁から警察官僚が天下り、政界では族議員が暗躍した。
店が電子部品を取り付けて台を操作するのは当たり前、脱税もやりたい放題、地下化した資金は北朝鮮に流れていた。ピークの1990年頃には年間600億円もの資金が北朝鮮に渡ったとある。それらはノドンやテポドンの開発費用となった。
恐らくこれと同様のことはカジノでも起こり得る。

これのどこがパチンコにだんまりなのでしょうか?
野村ともあきという人物を真逆にレッテル貼るものなのは明らかです。

ギャンブル総量規制が持論の野村ともあき氏

野村氏が前々からよく言っていることが「ギャンブルの総量規制論」です。
カジノだけ、パチンコだけという話でなく、ギャンブル全体でこの問題を捉えないといけないという思想です。
韓国が既にやっていることであり、パチンコ禁止を実現しました。韓国にできて日本にできない道理も無いはずです。

御覧の通りで、何度言うのかってほどギャンブル総量規制と、韓国でパチンコ禁止を実現した話をしています。
明確に「パチンコ反対」とも。

パチンコ問題を訴えるジャーナリスト・若宮健氏とトークイベントに2連ポスター

野村ともあき氏が、2022年に反大阪IR、カジノ問題に特化したトークイベントをロフトプラスワンWESTで開催していますが、その対談相手のゲストは
国際ジャーナリストの堤未果氏、そしてパチンコ問題を追うジャーナリストの若宮健氏です。

若宮健氏は、親友がパチンコによるギャンブル依存により自殺に至ったといい、以後パチンコ問題をライフワークとして取り組んでいる有名ジャーナリストのかたです。
その著書は

「打ったらハマるパチンコの罠―ギャンブルで壊れるあなたのココロ」
「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」
「パチンコに日本人は20年で540兆円使った」
「カジノ解禁が日本を亡ぼす」


などとなり、大変パチンコ問題、カジノ問題にお詳しいかたです。
上記野村ともあき氏のBlog等にもしばしば参考文献にこれら書籍は出ており、従来より読者であったことからこのマッチングが実現しました。

大阪カジノ関連でトークライブを開催します!
https://nomuratomoaki.hateblo.jp/entry/2022/09/01/161609



さらには、「二連ポスター」においてもこの若宮健氏とのものを作成。堺市内に張り出すなど、野村候補のパチンコ規制への本気は明らかです。

パチンコ問題への問題意識は相当なものであることが明らかかと思います。



「パチンコの新規出店規制」公約を打ち出す野村ともあき候補

2023年の堺市長選挙の公約に「パチンコの新規出店規制」という意欲的な内容があります。
ギャンブル依存症も問題視される中、思い切った公約と言えるでしょう。
巷ではその実現可能性が疑問視の声もありますが、十分にありうる話です。

実は、既に大阪狭山市ではパチンコ規制条例が制定され、住環境としてのイメージアップに繋がっています。

大阪狭山市パチンコ遊技場等及びゲームセンターの建築の規制に関する条例
https://www1.g-reiki.net/osakasayama/reiki_honbun/k233RG00000387.html

熊本市などでも規制条例が進んでいるようです。

熊本市、パチンコ出店指導要綱見直し着手へ
https://web-greenbelt.jp/00004507/

その他、新潟大学の研究でも、全国各地のパチンコ規制の様々な内容があることが分かります

パチンコ店の立地規制に関する条例の策定状況と規制内容

https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/52/3/52_1199/_pdf

政令市においてこの取り組みは初ではないでしょうか?
他の政令市としての差別化にもなり、子育て世帯を集めようという今回の野村氏の公約集とも相乗効果のある政策といえそうです。


結論としては「野村ともあきはパチンコを問題視し、規制を強めるかまえ」です。

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ファクトチェック堺
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